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ミラクル 〜奇跡の生還〜

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Chapter 2 生還を支えたミラクル7

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2-6 休日のゴッドハンド 〜ミラクルE〜

 

 大学病院の診察時間外は当直医が少ない。それを私は入院中に体験することになった。手術後2週間を過ぎて脳神経外科から内分泌内科に転科した後であった。ある日突然の頭痛とともに鼻出血が発生した。

 

 その後約1週間にわたって鼻出血を繰り返して迎えた土曜日の夕食時、突然、鼻に詰めていた綿球もろともドッと大量の血が噴出して食器に溢れた。それまでの経験から小鼻を強く抑えて止血を試みるがなかなか止まらない。

 

 その時間の私の担当医は若いインターン1人だけが残っていた。インターンがベッドを離れては戻りと何回か繰り返しながら処方いただいた止血処置はなかなか効かず、どうしていいかわかないと迷っている姿がみてとれた。

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 2時間くらい後にようやく耳鼻科に運ばれた私は、大量出血で貧血・失神してしまったが適切な対応ですぐに意識を取り戻した。幸いにも耳鼻科の当直医は比較的ベテランのようであった。 耳鼻科で2時間くらいの処置でどうにか止血できた。その結果、私の両鼻空は完全密閉されてチューブがぶら下がり、呼吸は口に頼るだけの苦しくて情けない姿になっていた。

 

 土曜日の夜でこの状態である。ましてやゴールデンウィーク中は休診であり当直医は極端に少なかったであろう。もちろん私の主治医も休みであった。私の診療窓口は内分泌内科であり、通常ならここで内分泌専門の様々な検査を経た後、脳神経外科と連携して手術のための検査を加えるなど周到な準備を経るはずであった。

 

 しかし一瞬にして私の病気を看破した主治医ですら予期できなかった卒中によって緊急手術を余儀なくされたのである。事前検査がほとんどできていなかったことに加えて、駆け込んだ内科病棟と脳神経外科病棟の間で事前の連絡協議がなされていなかったであろう。

 乏しい情報での緊急手術には困難が伴い、成功の確率が通常より低下しても不思議ではない。ましてや休日の手術チーム結成には相応の時間を費やしたことは想像に難くない。

 

 そんな状況にもかかわらず私は幸運にも、脳神経外科の最高責任者であり学界でも高名な主任教授に手術していただいたと聞く。内分泌内科の主治医が後日語ってくれた「連休中にもかかわらずよくぞ御大自ら出勤いただいた。緊急手術にもかかわらず完璧な結果が得られた」と。

 

 脳神経外科病棟での担当医に手術結果を次のようにも聞いていた。「腫瘍の全てを取り除くことができませんでした。右目視神経と頚動脈の周囲に腫瘍が残っています。その処置法は、再手術、薬物投与、放射線治療、一定期間静観、の4通り選択肢があります。再手術は左眼まで失明の危険性もあります。当面は静観をお勧めします」

 

 脳内の精緻な諸器官を傷つけないために、大きな腫瘍は全て除去できないことが多いようである。その場合、ホルモン分泌が正常値に戻らないケースがめずらしくないようでもある。ところが2ヶ月の入院期間が終わる頃には私の成長ホルモン分泌量が全くの正常値に戻ったのである。これが上記の内分泌内科主治医談につながった。

 

 もし、主任教授が旅行や学会出張などで不在だったらどうなっていたであろうか。緊急手術が必要にもかかわらずチーム編成できずに手遅れになっていた可能性も否定できない。

 難しい状況下で、ゴッドハンドに私は救われた。 

 

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